商業手形割引の返済方法

商業手形割引の返済方法

商業手形割引でよく勘違いされるのが、手形を担保に資金を借りるというイメージです。
こうした借入であればもちろん返済方法についても考えておかなければいけませんが、そもそも商業手形割引とは借入ではないので、返済の必要はありません。
では商業手形割引とは何かといえば、これは本来は期日が到来すれば現金がもらえる手形を、その満期前に金融機関に持ち込んで裏書譲渡する行為です。
一般的な商取引で手形を裏書する場合には額面通りの支払い効力がありますが、金融機関に持ち込む場合には満期までの期間から割引手数料を算出してその分が差し引かれた金額しか受け取る事が出来ません。
この点が、割引と付いている所以です。割引率は金融機関によって異なりますが、銀行などの場合にはその手形を持ち込んだ依頼人の信用力を見て判断し、手形割引業者の場合には振出人の信用力によって判断する傾向があります。
商業手形割引が借入と大きく異なるのは、返済方法を考えなくてよい事、それに借入ではないので貸借対照表上も負債とはならない事などが挙げられます。

商業手形割引を利用した場合の決算書上の扱いとは

商業手形割引を利用した場合には、その会社のキャッシュフローに大きな影響を与えることが予想され決算書に対する影響を懸念することも十分に考えられます。
しかし実際には記載するべき内容は決算生日時点でその精算が行われていない賃借金の内容やこれに伴う様々な利息等の内容が記載されることになっており、その期日時点で精算されているものについては記載の必要がありません。
そのため商業手形割引を利用しキャッシュフローの改善を行った場合、これが正常な販売行為によって得られた債権によるものであれば、決算期日をまたがない場合には記載をする必要がないことに注意をすることが必要です。
逆に記載を行うと株主等から疑念をもたれることになるため注意が必要で、また手数料等に関しては別途費用で計上をすることが好ましい方法となっており、多くの企業で実際にその処理の方法が採用されています。
この理由から商業手形割引を行う場合には決算書に対する影響を鑑み、その期日前に完了させることが重要なポイントとなります。